2010-09-26

GTDのフローチャートにある2つの階層

これも 前々回の GTDは選別するフィルター と同じで、参加した 「GTD勉強会@nagoya」nomicoさん×名古屋ライフハック研究会 で、nomicoさんとワークフローについてのディスカッションがあり、それから考えて自分なりに咀嚼したもの第3弾です。

GTDのフローチャートには2階層あります。 こんなかんじ。

中央下側にある "Process issue stage"と"Process single task stage"の2階層に分かれます。 プロジェクトレベルのものを扱うのか、next actionレベルのものを扱うのか、の違いです。

後半のProcess single task stageというのは、next actionレベルのシングルタスクを、 今終わらせる、待ちフォルダ行き、カレンダー行き、ネクストアクションリスト行き、 の4つのどれかに分類するサブルーチンだと考えることができます。

この分け方も、

  • Trash
  • Reference
  • Someday/Maybe
  • Project

  • (Do it)
  • Waiting for
  • Calendar
  • Next actions

に分けるという境界線の置き方は、 前回の 「存在自体の忘却に備えたリスト」と 「細々としたものを管理するリスト」 という分け方の結果と同じになります。

前回の話と無理矢理こじつければ、 細々としたものを余り考えずに判断・処理するために サブルーチンを使っている、と見ることもできます。 サブルーチンの定型処理で済ませられたら、楽になるはずです。 毎回新しいものとして処理せず、前に処理したことのある何かを参考に処理するのですから。

そうすれば、判断に要する注意の量の軽減も期待できるかもしれません。 また、それぞれの案件が全く別の処理をしているというわけではなく、 同一のワークフロー(特に狭い範囲では上記サブルーチン)を使い続けて処理することで この判断サブルーチンの練習ができるわけです。

GTDにある2種類のリスト

これも 前回の GTDは選別するフィルター と同じで、参加した 「GTD勉強会@nagoya」nomicoさん×名古屋ライフハック研究会 から考えて自分なりに咀嚼したもの第2弾です。

"フローチャートがどうしてああなっているのか?" を勉強会以降、特に気がついたら考えていて、手で描いたり描き直したりしていました。 そこから1つの視座を得るに至ったと思うので、メモします。

いきなり結論ですが、 「GTD再始動するなら Projects/ Waiting for/ Calendar/ NextAction リストの更新がオススメ」 は納得できる話だ、ということです。

GTDはリストを使った管理法でストレスマネジメントをしています。 言い換えると、注意に関して燃費の良い状態を維持するためのツールとしてリストを使っています。 では、扱う2種類のリストとは何か?

  • 思い出すための呼び名から構成されるトリガーリスト
  • 細かな(=1ステップの)シングルタスクをとりまとめるタスクリスト

この2つです。

1つめの種類に相当するのが

  • Reference
  • Someday/Maybe
  • Projects

です。 これらの種類のりすとは「事柄の存在自体を忘れたとき」の不安に備えるためのリストです。 これらがあれば、最悪の場合、これから示す残りのリストが無くても、 リストを作り直して回すことができます。 なお、これら3つのリストが相手にする期間は2,3週間以上と長めになります。

対して2つめの種類のリストに相当するのが

  • Waiting for
  • Calendar
  • NextAction

の3つのリストです。 これは、実際のシングルタスクを集めたいわゆる「タスクリスト」になります。 これらは「細々としすぎて、すべきタスクを頭の中で把握しきれない」という不安に備えるためのリストです。 すべきシングルタスクをかき集めてリストを書き記し、そのリストに従ってこなしていきます。 書いた後は、こなすしかありません。 せいぜいあるとしたら、コンテキスト毎に整頓することです。 これら3つのリストの時間的な範囲はは1,2週間、 カレンダーが1ヶ月以上もカバーするかもしれません。 ただ1つめのリスト達と比べると消費期限は短いはずです。

このように、「存在自体を忘れたとき」に対応するリストと 「細々として把握しきれない」に対応するリストがあるわけです。 ここで、先日聞いたことが関係します。 nomicoさんがオススメするGTDスターターキットは

  • Projects
  • Waiting for
  • Calendar
  • NextAction

で、 その4つのリストを更新(=完了した作業を削除して、新たに必要な作業を追加)することだそうです。

考えてみたらもっともな話です。 GTDの恩恵は「いろいろあってもうあっぷあっぷ」という状態を補助してくれるものだからです。 「いろいろあってもうあっぷあっぷ」というのは「やることが多すぎて訳が分からない」状態です。 その状態に対して「コントロールをとりもどそう」とするのがGTDです。 なら、片付けるべき最初のターゲットは、今ある細々とした多すぎるすべき事達です。 それらは短い時間で回さないと行けないので、シングルタスクに分解するとしても、 2つめの「タスクリスト」を整備して更新することに注力されるはずです。

例外としてProjectリストがありますが、 それはシングルアクションを結びつける紐の役割を果たすと考えることで理解できます。 プロジェクト名はタグという機能を果たしているからです。 タグ名で検索するとその関連情報が得られるように、 プロジェクト名で検索するとまとめられた情報が得られる(ように管理する)のです。 今でいうとtwitterのハッシュタグに相当するのでしょうか。

このように、

とりあえずGTD再始動するなら この4つのリスト更新しとけ!!

  • Projects
  • Waiting for
  • Calendar
  • NextAction

ということに、一定の納得できる解釈が見つけられました。 近視眼的には

Someday/Maybeなんて先のことだし、Referenceはまたいつか使うときでいいや。 必要になったら「~に関する情報を~に問い合わせる」というタスクでこなすし。

という考え方も理解できますので。 おつりが来ます。 まずはパンを。 それができた後で、全体が進むの方向をコントロールするために、

  • Reference
  • Someday/Maybe

リストの管理に着手することになります。 パンのみで生きないために。

このようにうだうだと理屈を考えて、納得できる理由を探すのは楽しいものです。 GTDの実践よりもGTD理論の解釈ばかりに走ってしまいそうになりますが。 考察できるならなんでもいいです。 実機テストするためにタスクをこなします。 手段のためには目的を選びません。

2010-09-25

GTDは選別するフィルター

「nomicoさんが名古屋にやってきてGTDの話をするよ」 ということで参加してきました。 2010-09-18 Sat のことです。 それから約1週間ほど時間が経ち、少し落ち着いてきました。 そのとき受け取ったヒントをどうにかして文字として残しておきたい、と思い、キーボードを叩いています。 その後、自分がどう咀嚼して血肉にできているか、という記録です。 残念ながら、これは開催記録ではありません。

ある人が言っていました。

GTDはGet Things Doneであって、
Get Everything Doneじゃない。

何を使っても、全てをこなすことは難しい。 この言葉は、自分にはあてはまりそうです。

できないならどうするのか? 選ぶわけです。

例えば、あれもこれも欲しいが全ては買えない。 そんなとき僕は選ぶという行動をとるわけです。

  • 物欲をチェック、身体が震えるほどだろうか?
  • 必要かをチェック、ただ欲しいだけなのだろうか?
  • 使いどころをチェック、買って実際に使えるだろうか?
  • 見た目をチェック、ダサくて見る度に滅入らないだろうか?
  • デザイナーをチェック、崇拝中のあの人だろうか?
  • 出品者をチェック、評判は悪くないだろうか?
  • 会社をチェック、ひいきにしてるところだろうか?
  • 口コミをチェック、落とし穴はないだろうか?
  • 色をチェック、景観を害さないだろうか?
  • サイズをチェック、入るだろうか?
  • 価格をチェック、買えるだろうか?
  • お財布をチェック?

メールの返信でも同じ事です。

  • メールマガジンは受信箱から「あとで読む」フォルダに自動的に移動。
  • このキーワードを含むメールは「**関連」フォルダに自動的に移動。
  • あのドメインからのメールは迷惑メールに指定、と。
  • あの人からのメールは、赤の太字で表示。すぐに返信できるように。

受信箱に生き残ったメールから返信していきます。

これをタスク管理に当てはめると、 GTDの処理プロセスはその「選ぶ」という作業をサポートしてくれる道具となります。 仕事を進める時に使える、出来合いのフィルターなんです。 ある事柄に関して判断すること、これは仕事の一部分です。 その判断に割く時間・負担を少し分担できるとGTDは言います。 「判断ではフィルターを使って楽をしよう」と、そして「フィルターはGTDの既製品を利用しよう」という話です。

収集された「気になるもの」に対してこんなことをします。

  • これは必要だろうか?必要じゃなければゴミでいいや。
  • これは実行可能だろうか?無理なら資料に放り込もう。
  • これはさしあたり今考えなくて良いだろうか?いいならSomeday/Maybeリストに書くだけにしよう。

このようにフィルタリングされて残った「気になること」は「処理が必要な気になるもの」になります。 処理というのは、自分か誰か何かの行動だったりするわけです。 「時間が過ぎるのを待つ」という行動も処理かもしれません。

では、必要な処理はなんだ? …と考える前に「面倒かどうか?」=「完了には複数ステップのタスクが必要か?」という魔の質問があります。 「面倒」だとProjectリストに書いて、それから「次する行動は何か?」を決めます。 「面倒じゃない=簡単=1ステップで完了する」場合だと、いきなり「次する行動は何か?」を決めます。 ここはゴニョゴニョするので、次回以降に回してスキップします。 とりあえず最終的に出てくるのは、「次する行動は何か?」という質問に対する回答である、「~する」という"次する行動"です。

さて、次する行動は何か? このシングルアクションについて、これからフィルタリングで分類します。

  • 次の行動は、2分以内に終わるか?終わるなら今2分でやってここで終わらせてしまえ。
  • 次の行動は、「待つ」だけか?「待つ」だけならWaiting forリストに登録して然るべき時まで忘れてしまえ。
  • 次の行動は、期日があるか?期日があるならそれをカレンダーに書け。
  • 残ったものは全部NextActionリストに放り込め。

処理プロセスは以上。

など意味不明のことを、GTDのワークフローは申しております。 そんな気がしてきました。

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