2010-10-08

仕事は時限爆弾の投げ合い? -シングルタスク処理のサブルーチン -

これも 前回の GTDのフローチャートにある2つの階層 と同じで、参加した 「GTD勉強会@nagoya」nomicoさん×名古屋ライフハック研究会 で示唆していただいた内容のメモです。

GTDのワークフローを使って物事を処理するとき、 特にその対象をシングルタスクに限定するとき、 少し面白い話になります。 爆弾のジャグリングです。 先に言っておきますが、ジャグリングはできません。 お手玉は3つが限界です。

さて、導火線に火がついていてバチバチと火花をちらしている爆弾を、 右から左へ、また左から右へと回していくゲームに似ているのです。 今風の時限爆弾なら、残り時間の表示が一秒ずつ減っているゲージをみながら、 自分の場所で爆発しないように回し合っているようなものです。

投げ合う図は、こんな感じです。

「自分の場所で爆発しないように」というのは条件が二つあって、

  • 爆発装置自体を止める

もしくは

  • 他人のところで爆発する

のどちらかになれば良いのです。 それで、このゲームは勝てます。

これをタスク処理に対応させようとしたら(爆弾=仕事と置き換えるとしたら)、

  • タスクを完了させる

もしくは

  • 他人の責任のところでトラブルが起こる

のどちらかになれば良いのです。 そうすれば、タスク管理版でも負けることはありません。 少なくともトラブルが起こっても自分の責任ではありません。 自分がすべき領域で起こったトラブルではないので。

非常に後ろ向きな解釈ですが、 爆弾=仕事とみなして自分の周りの人と回し合う、 そんなゲームが仕事だと見ることができます。 ではその仕事とGTDのフローチャートには何か関係があるのでしょうか? 関係はあるにはあります。

次のフローチャートを見て下さい。 これは、GTDでシングルタスクをどのリストに分類するかを示しています。

これはシングルタスクを

  • 2min rule
  • Waiting for
  • Calendar
  • Next actions

のどれかに所属させる一連の定型作業です。 Next actionsは赤色に、Calendarは黄色に、Waiting forは緑になっています。 ここでは、責任の所在を色であらわしています。

リスト名責任の所在
Waiting for相手
Calendar時期が来たら自分
Next actions自分

お願いして Waiting for に登録した仕事が終わらなかったら、相手の責任になります。 監督責任とかリマインドの責任はおいといて。 自分はokなので緑色で。 Calendarに書いた仕事は、時期が来ても終わらなかったら、自分の責任になります。 もうすぐ危なくなるので黄色で。 Next actionsに書いておいた仕事は、やらなかったら自分の責任になります。 これは、自分がダメなので赤色です。

上のフローチャートでは、今言った3つのリストの他に2分ルールを適用して片付ける場合があります。 今この2分で終わらせて忘れてしまう方が、 他の選択(Waiting forへ登録/Calendarへ登録/Next actionへ登録)より、楽だからです。 手間を減らすためのショートカットだと考えれば問題ありません。 なんだったら2分ルールでこなすモノを全てNext actionsに登録しても良いはずです。 (相手にお願いすることではないし、特定の日時にすべきことでもないので)。

話を表にまとめたリストと色と責任の所在との関係に戻します。 自分のリストにあるタスク(Next actions)を黙々とこなして消し込んでいくことは、 自分の陣地(赤)にあるカウントダウン中の爆弾を解除していくことに相当します。 他人に仕事をお願いする(Waiting for)のは、爆弾を相手の陣地(緑)へ投げることに相当します。 このとき、爆弾は新鮮なうちに(!)投げなければいけません。 長い間ほったらかしにして自動でカウントダウンされていて、いざ投げようとしたら爆発、ということもありますから。 または、投げ返されて落下した瞬間に爆発!ということも考えられます。 いずれにせよ、投げるなら新鮮な爆弾に限ります。 相手に投げた後は、自分の責任ではありません。赤色の領域ではありませんから。

残るは特定の時期にやらなければ行けないこと(Calendar)ですが、 これは「解体日が決まっている爆弾(カウントダウン中)」の処理になります。 予定日に信管を抜いて処理しないといけません。 特定の時期(予定日)が近づくと、責任の所在が自分の領域(赤)へと向かってきて危険なので 注意を喚起する黄色で塗ってあります。 予定日になっても爆弾処理しないでいたら、そしてそれが爆発してしまったら、 自分の責任として大変なことになりますから。 信号でも青->黄->赤と変化するように、 Calendarにあるモノは時間が経つと、勝手に予定日(黄色)から自分の責任(赤色)へと変化するのです。 放っておいたら自分の責任下に勝手にやってきます。危険です。

このゲームで生き残るにはこんな方針が必要になるでしょうか。

  • 2分ルールで消せる爆弾はあまり考えずに消していく
  • 爆弾を緑色の領域に放り込む
  • 黄色の領域にある爆弾は、赤色からの距離を測定してチェック
  • 赤色の領域にある爆弾はひたすら消し込む

シングルタスクに話をもどすと、あたりまえな方針になります。

  • 2分ルールで処理できるものは余り考えずに処理する
  • 他人にお願いしてWaiting forへ
  • Calendarは、期日までの時間をチェックする
  • Next actionsはひたすらこなす

こうして書いてみると、シングルタスクに対して非常に当たり前な方針を得ることができました。 退屈になったとき、 タスク管理を「他人と爆弾でジャグリング」と考えると、 ちょっとスリリングなひとときが過ごせるかもしれません。

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